ランダム ドット ステレオ グラム。 ステレオグラム

ランダムドットステレオグラム

ランダム ドット ステレオ グラム

この本のテーマの一部は、私が卒業論文でやったことの延長だ、と感じたからだ。 当初、山口さんの記事にコメントしようかと思ったが、長くなりそうなので、ここに書いてトラックバックすることにした。 当然、山口さんのを読んでから、以下読み進まれることをおすすめする。 私は大学時代に感覚知覚心理学研究室で卒業論文を書かせてもらった。 かなり入れ込んで書いた私の卒業論文のテーマは、「ランダムドットステレオグラムとランダムドットキネマトグラムの特性について」というごく地味なテーマだった。 これは、形のてがかりのない点々で構成されるパターンを、交互に見せるか、左眼右眼別々に見せるかで、動きが見えたり、奥行きが見えたりする知覚現象の特性を、研究対象にした卒論だった。 要は、コンピューターを使って、動きの感じ、立体感などを生むにはどうしたらいいか、という視覚の基礎研究のようなものだ。 ちなみに、人様のグラフィックスを借用してよいのかわからないが、ランダムドットとは以下のような感じのものを言う。 人間の眼は、ここから隠された形を認識してしまうのだから、たいしたものだ。 余談であるが本書との関連でいえば、感覚知覚心理学のつながりで、本書に出てくるトロント大学の研究室に88年に行かせてもらった。 NASAから援助を受けて宇宙酔いの研究として、周辺視の実験をやっている様子を見せてもらった。 中心視というのは、ごく普通に意識されているものの見方をいう。 人間の目が、目の前にあるものをごく普通に見て、これはボールだとか、これはコップだとか、信号が赤だとか認識したり、文字を読んだりするときに使われる。 認識する。 これに対して、かならずしも意識的に見ていない視野のはじの方の知覚を周辺視という。 当然、解像度というか、細かいものを見るのに中心視の方が適しているのだが、おもしろいことに、運動に対する感覚としては、周辺視の方が敏感だったり、身体がどちらに向いているかという感覚につながっていたりするのだという。 本書で、大きなシュレーターを組まなければならないというのは、実はこの辺の事情による。 中心視と周辺視をうまくつかってやると、からだが動いている感覚を与えたりできる。 つまりは、その場にいる感覚を生むには、中心視のしかカバーできない15インチ程度のモニターでは全然足りないのだ。 ちなみに、周辺視を意識すると不思議な感覚が生まれたりする。 お試しになることをお勧めする。 私の理解がただしければ、ニューロン単位の網膜から始る知覚現象を、生理学的なレベルの解析とコンピューターシュミレーションを使ったアルゴリズムの研究とを計算理論という考え方で比較しながら、説明するという野心的なアプローチだった。 私が文字どおり卒論でフォーカスしていたのは、網膜から視神経レベルの初期視覚だった。 この初期視覚のレベルで、エッジの検出や、ランダムドットキネネマトグラムのような動きの検出が行われているという仮説を検証したかった。 この考え方のベースにあるのは、ごくごく隣あわせで存在している視神経細胞がお互いにごく簡単な連絡をとりあうことで、高度な視覚を実現できるという仮説だ。 ごく単純な足し算、引き算、あるいは、周辺の細胞の一定のパーセンテージでの重み付けで、微分、積分、フーリエ解析に匹敵する演算を行える、ということをマーは証明していた。 コンピューターでイラストを描くといった画像処理にお詳しい方なら、ガウシアンフィルターとかご存知なのではないだろうか?ガウシアンフィルターのパラメーターを操作されたことはないだろうか?各種フィルターは、場合によってひとつのセルの周辺の重み付けにより、実現できる(らしい...)。 わけのわからんことを書いているようにしか思えないと自分で書いていても思うのだが、これアナロジーはこれまで本ブログにおいて問題にしてきたや、miyakodaさんの、果てはなどと、視神経、初期視覚の問題が、ほぼ同様のアルゴリズムで扱える可能性がある、といことを私に示唆していると、さっき気がついた。 この前から弄くっているべき法則をごく単純なノードの結びつきでシュミレーションしうよとする試みに、「網膜モデル」を追加してみたのは、このためだ()。 まだ、途中なのだが調子にのって、どんな感じの集中モデルが描けるか、シュミレーションの内容を説明する前に載せてしまう。 以下の画像は、クリックすると大きくなる。 <足しあげフィルターによるシュミレーション結果> <乗算フィルターによるシュミレーション結果> <網膜型フィルターによるシュミレーション結果> まだ、パラメーターの設定やら全然整合性がついていないのだが、グラフをかくと、どうにかべき法則的に対数で近似できそう感じだ。 なんとなく卒論で書いた網膜の計算モデルと、べき法則を関連付けられそうな予感がある。 もっと言ってしまえば、ブログが巨大な知覚装置になりうるということを示しているのかもしれない。 集中と分散という考え方から、さらに先へ進めたいと感じている。 ええい、途中経過のまとまらない記事だが、あえてアップしてしまおう。 自分でも、まだ先が全然読めない。 そういえば、あの「明滅しながら」というイメージはかなり脳内の発火のイメージに近いかもしれませんね。 いま、はじめて感じました。 網膜以降の情報処理もそうなんですが、ご存知のようにニューロンとかは、「多数決素子」みたいなものなのだそうです。 その前のレイヤーの近傍のノードのいくつかの発火が重なって、次のレイヤーのノードが発火する、しかも、前レイヤーのノードによって信号に重み付けのようなものが存在するということだそうです。 これだけの原理で、網膜からの初期処理でものの形を認識できることが立証されています。 それが、参照としてあげさせていただいた「脳の情報表現:発火周波数,時間パターンと細胞モデル」あたりに書いてある話だと私は理解しております。 ほんとうにいろいろな方からヒントというか、解答そのものをいただきながら、今回気が付いたのは、網膜から社会現象までノードとのノードのごく近い結びつきを、レイヤーを重ねることで説明できる、ということにつきます。 うーん、シュミレーションの用語もノードと、レイヤーに統一します。 いっぱい、いっぱい、ヒントをありがとうございます。 投稿: 2004年6月 3日 木 18時20分.

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視力回復するのか?…ステレオグラムをソフトで作成してみる!

ランダム ドット ステレオ グラム

運動の知覚とは,物体や自分の身体が空間内で移動する方向と速さを知覚する心理過程である。 物体の動きは視覚,聴覚,触覚を通じて感知されるが,視覚の研究が最も進んでいる。 視覚的運動visual movementは,刺激条件によって実際運動,仮現運動,運動残効,,自動運動などに分かれる。 また,運動する対象から,バイオロジカル・モーション,オプティカル・フロー,ランダムドット・キネマトグラムなどと分けることもある。 【実際運動real movement】 物が実際に空間内を動いている際に生じる運動の知覚一般を指して実際運動とよぶ。 対象は非常に遅く動くときは動いて見えないし,また非常に速く動いても動きは見えない。 また,対象が速く動くとしだいに形がわからなくなり,ついにはちらつきをもった帯運動から静止して見える状態に至る。 研究によりベキ指数には0. 75~1. 77の間のばらつきがあるが,多くの報告はベキ指数が0. 8~1. 1の間にあり,知覚速度は物理速度に近い。 しかし,同じ物理速度でも移動対象の観察条件と呈示条件で見かけの速さは異なる。 動く対象を目で追従する場合は,背景の一点を凝視する場合よりも1. 4~1. 7倍ほど速く見える(アウベルト-フライシルの逆説Aubert-Fleischl paradox)。 また,一般に対象が垂直に動くときの方が水平に動くときよりも速く感じられ,対象が遠ざかる方が近づくときよりも速く感じられる。 等質な背景上を運動する単一刺激を追視するとき,対象が運動方向を突然変えると軌跡の内側に湾曲して見えるし,突然停止すると跳ねて戻るように見える。 ポッゲンドルフ錯視Poggendorf illusionなどの幾何学的錯視図形の上を点が直線運動すると,錯視に相応して軌跡が変化して見える。 運動対象が複数存在するときの例としてサイクロイド軌跡cycloidal pathが挙げられる。 車輪の周縁に光点を一つ付けて暗闇で車輪を走らせると,光が跳ねているように見えるだけであるが,車輪の中心軸に光点を付加すると,車輪が回転するように見える(図1)。 ここでは二つの光点の動きは,前進と回転にまとまっている。 独立に動く複数の要素は,運動要素のベクトルと考えられるが,これを最小の共通運動成分と運動対象間の相対運動成分に分けるという最小原理minimum principleが視覚情報処理で働き,最も簡潔な構造が知覚される。 この考えに従えば,バイオロジカル・モーションもまた最小原理の適用例といえる。 バイオロジカル・モーションbiological motionは,生物的(生物学的運動知覚)biological motion perceptionとよばれる。 小さな光点を人間の体に取り付け,暗闇で人が動作し始めると,静止しているときには単なる光点の集まりであったものが,人間であると知覚される(図2)。 この暗闇中の光点の複雑な動きは,腕は手の運動の,肩は腕の運動の,胸は肩の運動の各依拠点として働き,全体が階層的にまとまって人間の運動形態として認識される。 人間の視覚系が,単に運動を検出するだけでなく,その運動から物体の形や奥行きなどの特徴を抽出し,復元していることを示す。 2次元平面上を二つの光点が距離を変えながら動くとき,光点の運動によって3次元の構造に知覚されることがある。 このような運動対象間の距離や速度の差によって遠近感や奥行き感が生じ,2次元の平面が3次元に感じられることを運動の奥行き効果kinetic depth effect,perception of motion in depthという。 また,表面に点をちりばめた円筒を回転運動させ,側面から光を当ててスクリーン上に投影させた像を反対側から観察すると,静止しているときには2次元の平面図形として知覚されていた像が,動き始めると3次元的回転体として知覚される。 影の動きによるこの奥行き効果は,輪郭線の長さと方向が同時に変化するときに強く現われる。 【仮現運動apparent movement】 異なる場所にある二つの静止対象を,適切な短い時間間隔で交互に呈示すると,一つの対象が移動するような運動が見える。 この仮現運動を利用した例は,テレビと映画である。 また,馬車などの大きな車輪が現われる映画では,時折乗り物が進んでいく方向とは逆向きに車輪が回転して見える回転錯視wagon wheel effectを観察できる。 映画が普及する以前に回転盤に一連の動作を描き,スリットを通して1コマずつ絵を見る玩具である驚き盤stroboscopeというものがあった。 われわれの住む環境には,テレビはもとより踏切で交互に点滅するために動いて見える赤信号や駐車場を示す点滅する矢印などベータ運動がたくさんある。 多くの研究がファイ現象の刺激条件を調べている。 見かけの運動ファイを引き起こす2対象間の距離を s,2対象の呈示時間と間隔を合わせた時間を g,対象の刺激強度を iとすると,ファイ現象が成立する変数間の関係を と表わすことができる。 これをコルテの法則Korte's lawという。 たとえば2対象の空間距離が増大すると,最適なファイ現象を得るためには, gを長くしなければならない。 この法則は,厳密な数量的関数ではなく,変数間の一般的傾向を示すにすぎない。 その後の研究は,この関数式に含まれる変数が,物理量ではなく心理量(現象的見かけの変化)であろうと示唆している。 仮現運動には,ベータ運動以外の運動もある。 ミュラー・リヤー図形の外向矢羽根と内向羽根を交互に呈示すると,矢羽根のベータ運動に加えて,ミュラー・リヤー図形の主線の伸縮運動が見られる。 仮現運動の中でも比較的近年盛んに研究されているのが,ランダムドットを使った運動視と2次運動second-order motionである。 ランダムドット・キネマトグラムrandom dot kinematogram(RDK)は,ランダムドット・シネマトグラムrandom dot cinematogram(RDC)ともよばれる。 1970年代から,ランダムドット・パターンを刺激として使った運動知覚の実験が盛んになった。 ランダムドット・パターンを1パターンだけ見ると,そこに特定の形を知覚できないが,ある形を作るように成分ドットの一部分の相対的位置をずらして,元のパターンと変化したパターンを交互に呈示すると,特定の形とその運動が知覚される。 これがランダムドット・キネマトグラムである。 少数の光点や図形を刺激に使った仮現運動に比べると,ランダムドット・キネマトグラムでは運動の知覚が成立するための時間間隔と空間間隔が短いことが特徴である。 そのため,ランダムドット・キネマトグラムによる仮現運動を短距離運動short-range motionとよび,従来の少数光点もしくはパターン図形を刺激に使った仮現運動を長距離運動long-range motionとよんで区別することがある。 長距離運動では,2対象が異なる眼に呈示されても運動が見られるが,ランダムドットを使った短距離運動では,同じ眼に呈示されないと運動が見られない。 また,長距離運動は色コントラストにより定義された刺激でも運動が見られるが,短距離運動では色コントラストにより定義された刺激では運動が見られない。 これらのことから,2種類の運動の背後に異なる運動メカニズムを仮定する理論が提唱されている。 これに対して,1次運動と2次運動という分類の方が,長距離運動と短距離運動という分類より適切であるという考えもある。 2次運動second-order motionとは,刺激がコントラストやテクスチャーなどの2次統計量の違いを検出する運動を指し,刺激が輝度変調の縞パターンのような1次統計量である1次運動first-order motionと対比される(図3)。 1次運動の場合は,運動する成分は空間周波数であるためフーリエ運動刺激とよび,2次運動の場合は,運動に対応するフーリエ成分がないため非フーリエ運動刺激とよぶことがある。 1次運動と2次運動に対しては,異なる運動処理メカニズムが仮定されている。 ランダムドットを使った運動視に,運動透明視motion transparencyがある。 異なる方向に動く2組のランダムドット・パターンを重ね合わせて呈示すると,各運動方向に移動するドットが含まれる透明な2平面の動きが見える(図4)。 ランダムドット・パターンの代わりに,空間周波数が異なる正弦波縞パターンを大きな方向差をつけて呈示し,縞の方向と垂直に動かす場合も運動透明視が生じる。 運動透明視は,運動から空間構造が復元される一例である。 【運動残効motion aftereffect】 運動残像movement afterimageともいう。 同じ方向に運動する物体や映像を見つづけた後で周囲の静止している物体に目を向けると,その物自体は物理的に止まっているのに,あたかも動いているように見える。 たとえば,滝の水が落ちるのをしばらく眺めた後に周囲の景色に眼をやると,周囲の景色がいっせいに上昇するように感じられる。 このような錯覚は滝の錯視waterfall illusion とよばれる。 滝の錯視は,現在多くの場合,コンピュータスクリーン上で縞パターンを縞と垂直の方向に等速で移動させたり,ランダムドット・パターンを移動させたりして実験室でも観測される。 また,渦巻き模様が描かれている円盤を1方向に回転させ,しばらく見つめてから円盤を停止すると,渦巻き模様が逆方向に縮小あるいは拡大する渦巻き残像spiral after-imageが観察される(図5)。 運動残効は奥行き方向にも現われる。 たとえば電車の最後部に乗り,後方に流れる景色を眺めていると,電車が停車したときに後方の景色が迫ってくるように見えることがある。 このような残効は,奥行き運動残効depth motion aftereffectとよばれる。 滝の錯視が起こるとき,景色内に見える物は上昇しているように感じられるが,物体の位置は変化しない。 また渦巻き残像では,渦巻き模様が拡大や縮小のように感じられるにもかかわらず,円盤の大きさの知覚には変化は伴わない。 このような現象が起こるのは,運動の知覚に速度を知覚するシステムと位置を知覚するシステムがある程度独立して関与しているためである。 そのほかによく知られている運動現象に,誘導運動,自動運動,オプティカル・フローによる運動視がある。 誘導運動induced movementとは,客観的に動いている物体と静止している物体がある場合に,本来は静止しているはずの物体に対して運動が知覚される現象である。 このような運動の知覚は,移動している物体と静止している物体の関係性が逆転した運動印象によって生じる。 誘導運動は,運動と静止の関係にある両者が何であるかによって,対象間の誘導運動,自分の体と対象間の誘導運動,身体部位間の誘導運動の三つに大別できる。 たとえば月が雲に囲まれると,雲が止まって月が逆向きに動いて見えることがある。 このような誘導運動では,対象間にきわめて遅い速さの相対運動が生じているため,運動の枠組み(雲)の中にある対象(月)が誘導される。 橋の上から,緩やかに流れる川面を眺めていると,急に自分自身が川上へとさかのぼっていくように感じることがある。 このような誘導運動は,自分の体と対象間の誘導運動とよばれる。 床から足を離して回転椅子に座り,片腕を机の上に置いた状態で目を閉じたまま,だれかに椅子を左右に回転してもらうと,腕が前後に動いているように感じることがある。 われわれは自己の頭頂部を中心軸として,それを取り囲むような身体像をもっている。 そのため中心軸に近い身体の部位では静止を感じやすく,中心軸から遠い身体の部位では運動を感じやすい。 このような誘導運動は,身体部位間の誘導運動とよばれる。 自動運動autokinetic effectとは,暗室内で1個の静止光点を凝視しているときに,この光点がさまざまな方向へランダムに動いて見える現象である。 運動までの潜時,方向,速さ,移動範囲が刺激条件によって大きく変動するばかりでなく,個人差も大きい。 静止した背景空間の枠組みがないときに起こりやすい。 オプティカル・フローoptical flowとは,運動に伴って網膜に投射された流動パターンを指す。 われわれが普段動いているとき,われわれの網膜には目の前にある物体の運動や速度の流れを示す流動パターンが生じている。 たとえば,無数の点が描かれている壁に向かって前進したとき,オプティカル・フローのパターンは放射状の拡散パターンとなり,拡散の程度は中心から離れるにつれて大きくなる。 この場合,オプティカル・フローの中心が自分の運動の向きとなる。 視覚におけるオプティカル・フローを重要視したギブソンGibson,J. (1979)は,オプティカル・フローを用いることで,自分の運動の方向や速度を直接的に知覚することができると考えた。 オプティカル・フローでは,接近する速度によって,単位時間当たりの拡大率が変化する。 接近する速度が速いほどパターンの拡大率は大きくなり,速度が遅いほどパターンの拡大率は小さくなる。 そのため,オプティカル・フローのパターンの拡大率に注目すれば,相対的な運動の速度や向きが知覚できる。 ある一定の速度で前進している対象物に後方の物体が衝突するまでに要する時間(接触時間)を推測する場合,後方の物体が一定速度で接近するという条件下ではあるものの,タウ関数が接触時間と比例関係にあることを利用して,タウ関数から物体の接触時間を予測することができる。 また,タウ関数の逆数はオプティカル・フローの拡大率に近似する。 このことを利用して,視覚システムはオプティカル・フローの拡大率から接触時間を予測することができる。 【運動知覚の生理的基盤】 網膜の神経節細胞から外側膝状体lateral geniculate bodyを経由して,大脳後頭葉にある視覚皮質visual cortexに投射される神経経路は,マグノ細胞系magnocellular systemとパーボ細胞系parvocellular systemに大きく分けられる。 マグノ細胞系はパーボ細胞系よりも刺激の変化に対する反応が速く,受容野が大きいという特徴をもつ。 このような特徴から,マグノ細胞系は運動の検出に適していると考えられている。 視覚皮質では運動知覚に関与する細胞が大脳の視覚第1野(V1)および第5野(V5。 あるいは後述のMT野)から見つかっている。 運動検出細胞の回路を簡略に説明するのが,ライカートの検出器Reichardt's detectorの原理である。 ライカートの検出器とは,ライカートReichardt,W. (1961)によって提案された運動の方向と速さを検出する神経回路のモデルである。 これは網膜上の離れた位置に与えられる光の入力に反応する2群の細胞と,その信号を乗算的にまとめる細胞,および信号伝達に時間遅れを作り出す細胞から成る(図6)。 入力細胞間の距離と時間遅れ細胞がどちらの入力細胞から信号を受け取るかを変えることにより,この単純な回路は対象のさまざまな運動方向と速さを検出できる。 ライカートの検出器は,運動知覚における神経情報処理の最初の段階と考えられ,この機能をもつ細胞がウサギの網膜,ネコとサルの視覚第1野(V1)において発見されている。 視覚第1野(V1)と視覚第2野(V2)の細胞は,MT野middle temporal area(mediotemporal cortexともよぶ)に信号を送る。 MT野という用語は,ヒト以外の霊長類の脳に使われ,ヒトの視覚第5野(V5)に対応する。 後頭葉,側頭葉,頭頂葉が接する付近の表面にある外線条野の一部であり,主としてV1にある特定方向の動きを検出するマグノ細胞から送られる局所運動信号を,大局的に統合する機能を担う。 MT野の細胞はV1の受容野より数倍あるいは数十倍大きい受容野をもち,実質的にすべての細胞が方向選択的反応を示す。 MT野の細胞の中には,異なる方向の運動に反応するV1細胞から入力を受け取る細胞があり,対象の局所的方向ではなく対象全体の大局的運動方向を検出する。 また,サルのMT野で,形や大きさから独立した運動方向検出細胞が見つかっている。 これも全体的運動を検出する神経生理学的基盤である。 2点間の距離については,人差し指の表側と手のひらの親指側のふくらみ部を対象として,二つの離れた位置に先端が丸くなった触針(1mm程度)により振動刺激を時間間隔を変えて与えたところ,2点間の距離が大きくなると仮現運動の出現頻度が低下した。 また,仮現運動を引き起こす刺激呈示タイミングのずれstimulus onset asynchrony(SOA)の最適値は,刺激呈示時間に従って増大した。 内耳前庭系から送られる信号は,視覚情報と統合され,自己の運動と環境内の対象の運動に関する知覚を生み出す。 視覚情報と前庭感覚情報の間に不一致があると,船酔いmotion sicknessを経験することがある。 むかし遊園地には,回転する家というものがあった。 人が中に入りドアを閉めベンチに座ると,部屋は前後にゆっくり揺れる。 ところが,部屋の床と天井,側壁は完全に回転しつづける。 そのため中にいる人は,自分がさかさまに回転する錯覚を経験する。 これは自己誘導運動であり,ベクションvectionとよばれ,視覚系と身体の平衡感覚系が相互に作用して現われる。 日常生活では,電車に乗って隣に停車している電車がゆっくり動き出すと,自分の電車が動き出したような錯覚がこの種の誘導運動である。 たとえば,奥行き方向の運動残効が生じる視覚刺激を呈示して,同時に音の刺激を呈示すると,奥行き運動残効に一致して音の大きさが変化して聞こえる。 反対に,視覚刺激の運動の見え方が音の影響を受けることもある。 二つの円盤がスクリーンの左右から中央に向かって動き,中央で交差してから左右の端まで動く刺激を見せると,多くの場合,同じような知覚が生じる。 ところが,二つの円盤が交差する瞬間に短い音を聞かせると,二つの円盤は反発して見える。 このように運動の知覚は感覚統合のよい例である。

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最高のランダムドットステレオグラム(RDS)を求めて。

ランダム ドット ステレオ グラム

ステレオグラムの写真 交差法 ステレオグラム(: stereogram)もしくは 立体画、 立体図は、的印象をもつように描かれたに描かれた図や絵 あるいは写真。 のを意図的に前後にずらして合わせることで左右の絵を別々の目で見ることにより、立体的に見ることができる。 は、片眼では、物体の大きさ、重なり、明瞭さ、移動速度、両眼では、、輻輳などの情報を総合的に利用して立体を認識している。 ステレオグラムは両眼視差を利用して画像を立体として認識させる。 現実の立体を見るときには、両眼の位置の差から右眼と左眼では異なった像が写っている。 この見え方の違いが両眼視差である。 この2つの画像の差異を利用してはの再構築を行う。 逆に、上の画像でも両眼にが生じるようにを写すことで、脳に立体として認識させることができる。 この効果は、的な場面でも活用された。 に搭載されたの低いカメラ2台によって同時に撮影された2枚の写真を片目ずつで同時に見ることにより、元の写真を単独で見るよりも立体的に知覚でき、を見破ることができたのである。 詳細は「」を参照 ステレオグラムのの画像を的に見る方法をといい、いくつかの方法がある。 このうち、何もを用いずで直接ステレオグラムの画像を見る方法を「裸眼立体視」という。 裸眼立体視には、 平行法(: parallel viewing)と 交差法(: cross-eyed viewing)がある。 平行法は右眼で右の画像を、左眼で左の画像を見る方法であり、交差法は左眼で右の画像を、右眼で左の画像を見る、つまり視線が画像の前で交差するように見る方法である。 交差法には、実際に見る2つの画像のサイズを平行法より大きくできるという利点がある上、もともと立体視ができない人(、、左右のが極端に異なる=ただし、やで矯正できるときを除く)にとっては、平行法よりも習得しやすいとされる。 最初は難しいが一度習得すると次からは比較的容易に立体視を行うことができる。 平行法は画像より遠くに焦点を合わせ、交差法は画像より近くに焦点を合わせる。 つまり目と画像との距離によっては立体視が不可能になる可能性がある。 また、画像が小さいほど焦点の移動も小さくて済み簡単である。 交差法は近距離に焦点を合わせるため、比較的目が疲れやすい。 どちらの方法も2つの画像をブレさせていき、水平に整列した3つの画像が現れるように調整を行う。 中央の画像が立体視画像である。 平行法と交差法では立体感が変化する。 そのため画像によって平行法と交差法のどちらで見るか決まっている。 例えば地図画像を誤った方法で見れば、山が谷に見えてしまう。 平行法の練習方法• 目から力を抜きぼんやり見るような感じで焦点を画像より少し奥に合わせる。 すると画像がぼやけて分裂する。 (2枚の画像が4枚になる)• 焦点を奥へ移動させてゆくと、分裂した画像がお互い中央に向かって重なってゆく。 左右2つの像がちょうど中央で融合する位置で焦点の移動を止める。 うまく重なるように焦点を前後に微調整する。 成功すれば中央画像が立体的に見える。 2枚の画像が重なるまで目を画像に近づけてからゆっくりと引くと合わせやすい。 交差法の練習方法• 画像と眼の中間付近に指を1本立てる。 より眼にするような感じで指先を見る。 (焦点を画像より手前に合わせる)• 視線はそのままで指を抜き、さらに焦点を前後に変えて調整する。 うまく重なるように焦点を前後に微調整する。 成功すれば中央画像が立体的に見える。 慣れると指がなくても可能である。 立体視の構造と素材 [ ] ステレオペア [ ] ステレオペアは、視差が生じるような2枚の画像を左右に並べたステレオグラム。 には、と呼ばれるわずかに角度をずらした2枚の写真を撮影できるカメラが発明され、やで大流行した。 でもに撮影されたステレオ写真が残っている。 左端のものと右端のものは全く同じものなので、実際の画像は2つ=ペアである。 ステレオペアの作成方法 [ ] ステレオカメラを用いなくても、普通のカメラでステレオペアは容易に撮影できる。 通常どおりに写真を撮影する。 カメラを右(または左)に平行移動して、もう一枚撮影する。 この際の移動距離をステレオベースと呼び、多くの場合(35mmカメラの場合)人の両眼間隔の平均値と同じ 6. 5cm が適当(主要被写体までの最近距離が約2m程度)である。 遠くの被写体(とか山並み)を立体的に撮影する場合は、上記の航空写真での立体撮影と同様に長い移動距離が必要となる。 つまり、10m先の被写体の場合は30cm、100m先の場合は3m移動する必要がある。 仕上った写真を、撮影した位置通りに左右(または右左)に並べると立体視(平行法)ができる。 交差法で見るときは左右を入れ替える。 この方法では左右の画像の撮影に時間差が生じるため、動く被写体を撮影することはできない。 他に、2台のカメラを左右に並べ同時に撮影する方法もある。 この場合は2台のカメラのレンズの中心の間隔がステレオベースとなる。 ウォールペーパー・ステレオグラム [ ] 同じ図形の繰り返しパターンを持つ画像は、焦点の合わせ方で異なった距離に見えることがある。 これを 壁紙錯視と呼ぶ。 ランダム・ドット・ステレオグラム [ ] ランダム・ドット・ステレオグラム : , RDS は、一見のようにしか見えない画像だが、うまく焦点を合わせると立体が浮かび上がってくる画像である。 技術者から研究に転じた ()によって考案された。 初期のランダム・ドット・ステレオグラムは2枚の画像を使用していたが、1枚の画像で立体視が可能な方法が生み出された。 単一の画像のみであることから、特に、シングル・イメージ・ランダム・ドット・ステレオグラム Single Image Random Dot Stereogram, SIRDS と呼ぶこともある。 シングル・イメージ・ステレオグラム [ ] シングル・イメージ・ステレオグラム : , SIS は、ランダムな点の代わりに意味のある模様などを用いたステレオグラムである。 ステレオグラムの本『 ()』発売後、以降に流行した。 脚注 [ ] []• 旺文社 『カタカナ語・略語辞典(改訂新版)』 311頁• Fritz G. Waack 2004年1月18日. stereoscopy. com - The Library. 2013年9月24日閲覧。 - ステレオペア(平行法)• Fritz G. Waack 2004年1月18日. stereoscopy. com - The Library. 2013年9月24日閲覧。 - ステレオベースの計算• Fritz G. Waack 2004年1月18日. stereoscopy. com - The Library. 2013年9月24日閲覧。 - 焦点距離と撮影距離によるステレオベースのグラフ 関連項目 [ ] ウィキメディア・コモンズには、 に関連するカテゴリがあります。 外部リンク [ ]• 細野武庸 2009年11月25日. 2013年9月24日閲覧。 中島一城; 中山慶太 1997年12月. ステレオ写真. 2013年9月24日閲覧。 2013年9月24日閲覧。 - 描いた絵が3Dステレオグラムに変換されるサービス。

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