ミッドサマー 90年 考察。 映画『ミッドサマー』ネタバレ感想と考察。結末でアリアスター監督が描く“残忍で破滅的なおとぎ話”とは

【解説・考察】映画「ミッドサマー」が3倍面白くなる!北欧文化を知ってメタファーを紐解く

ミッドサマー 90年 考察

映画『ミッドサマー』ネタバレ考察。 出典: ここからは本作の考察をネタバレを含み解説していきます。 細かい点まで徹底的に考察していくのでお付き合いください。 『ミッドサマー』のホラーの中のジャンルは? ホラー映画には様々なジャンルが存在する。 『ミッドサマー』はどのようなジャンルに含まれるのだろうか。 第一に本作がカルト系の映画であることは間違いない。 カルトという言葉自体には反社会的で常人には受け入れられないような悪しき習慣や習性を持った集団の意味が現在では強く根付いている。 元々はネガティブなイメージはなかったが時代の流れとともに否定的なイメージが定着していったと言われている。 『ミッドサマー』にはカルト的と取れる描写が多数見受けられた。 そして本作では90年に一度行われる祝祭がテーマとされているため、これらは古来から続いている伝承 フォークロア をもとに執り行われているといえる。 古くからの言い伝えはホラー映画によく使われるテーマである。 アリ・アスター監督の前作『ヘレディタリー』も伝承をテーマにした作品であった。 ミッドサマーとは一体なに?五月祭・夏至祭について ミッドサマーの起源はそもそも五月祭に存在する。 五月祭は古くからヨーロッパ古代ローマ帝国で行われてきた祭りに由来しており、5月1日 メイデー に豊穣の女神マイアを祭り、夏の豊穣を予祝して行われる祭りでいわば祝祭だ。 女神マイアにはいくつもの供物が捧げられる。 この祭りはキリスト教がヨーロッパ各地に伝来するよりも以前に起源を持っていることも重要なポイントだ。 そして『ミッドサマー』の舞台となっているスウェーデンで行われる祝祭は夏至祭のことである。 基本的には聖ヨハネの日に行われる。 スウェーデンを含む北欧の地域では五月祭の頃は気候の影響で樹々や花が乏しいため、夏至の頃に行うようになったとされている。 スウェーデンでは毎年6月19日から26日の間の、夏至に最も近い土曜日Midsommardagen(ミッドソンマルダーゲン)とその前日Midsommarafton(ミッドソンマルアフトン)と合わせて2日間が祝日となる。 2020年は6月24日がそれにあたり、クリスマスと同じぐらい重要な行事とされている。 このMidsommardagenが本作『ミッドサマー Midsommar 』のタイトルの由来である。 また、本作に登場する祝祭にはヨーロッパの様々な国の五月祭、夏至祭の要素が混合しているといえる。 物語の舞台スウェーデンにおける白夜について 本作のキャッチコピーは「明るいことが恐ろしい」であった。 この明るさは超自然現象ではなく、自然現象の一つである。 その明るさの原因は白夜に存在する。 白夜とは真夜中になっても薄暗いまたは、薄明るい状態が続く現象のことである。 この白夜は地球が太陽の周りを公転していることと、地軸を傾けて自転していることが要因である。 これは北欧諸国やグリーンランド、ロシアやカナダの北部、また南極大陸の大部分で観測される現象である。 本作の劇中でも夜でも明るいまたは薄明るい状態が続いていた。 北欧諸国では6月下旬前後にこの白夜の状態になる。 これは夏至祭の期間と重なる。 また季節性感情障害という精神疾患の患者数は北欧諸国で多い傾向にあるが、これは白夜が関係しているのではないかと指摘されている。 患者の症状には「意識低下や、思考阻害」が確認されている。 メイポールの役割について 本作ではスウェーデンの奥地に暮らす集団のシンボル的存在としての印象が強かったメイポール。 これは実際の五月祭にも使われ、重要な役割を果たしている。 元々は豊穣を祝う行事でもあるため、このメイポールもその要素が強い。 古くから人々は樹木の霊魂は太陽の光や雨をもたらし農作物を育て家畜を増やすと信じられていた。 このメイポールを中心として手を繋ぎダンスを踊ることで農作物の収穫を祝い、子孫繁栄につながるとされています。 劇中でも実際にダニーが女性の住民と共に踊りを踊っていた。 ミッドサマーにおける食事について 『ミッドサマー』では食事のシーンが多用されていた。 これらは先ほど紹介した夏至祭や五月祭に習っている。 本来の夏至祭ではニシンの塩漬けやイチゴなどが振舞われるという。 本作でもダニーがメイポールの下での踊りの戦いに勝利して女王となったのちの会食でニシンを丸呑みにさせられそうになっていた。 また、ダニーたちがスウェーデンの奥地に到着した際にはすぐにイチゴが振る舞われていた。 9にまつわる言い伝え 『ミッドサマー』には9という数字が多用されていたことに気がついた方も多かっただろう。 物語に登場したのは• 90年に一度の9• 生贄の人数が内部の4人+外部の4人+1人の9人• 祝祭の期間が9日間• Midsommarのアルファベットの文字数が9 また、劇中のホルガ村に住む人々は生と死をサイクルとして捉えており生まれてから18歳までを春、18歳から36歳までを夏、36歳から54歳までを秋、54歳から72歳までを冬として捉えている。 これは18の倍数でのサイクルですが18の約数は9ですから、9という数字が隠されていると言える。 その他にも、スウェーデンではミッドサマーの夜に9種類の草花を枕の下に敷いて寝ると将来の結婚相手を夢見ることができると言われている。 このように9という数字に固執していることには数が持つパーワーへの人類の恐れが反映されているといえる。 日本人でも4や9といった数字からあまり良いイメージを持たず、避ける人もいるだろう。 日付や時間を数で捉えている以上、数字からは様々な出来事が連想できるため、数字が人々の感情に及ぼす影響は大きいといえる。 これは先ほどの年齢のサイクルに従い、72歳となった老人が自ら命を絶っている。 集団の中ではこの行為はポジティブに捉えられている。 強烈な映像だったが観客は耐えられただろうか。 その言葉についてはジョシュのみが理解していたが、劇中のみならず実際にその言葉は存在する。 これは先史時代から北欧で儀式的な殺人が行われていた場所につけられた名前で言い伝えによると、高齢者が自らの存在意義を見失った際に体を投げ捨てた場所とされている。 タペストリーについてについて 本作では物語のファーストカットから大きなタペストリーが表示されるが、このタペストリーはこれから起こることを予言していたとされている。 mupan. jpg このタペストリーは左側の冬と右側の夏に分かれ物語の展開を示唆している。 冬の場面ではダニーとその家族が亡くなってしまった描写が、そしてダニーが泣いているところを慰めるクリスチャンとそれをそっと見守るペレ。 そして右側ではスウェーデンの奥地で行われたミッドサマーでの会食やメイポールでのダンスなどの様子が描かれている。 ちなみにこのタペストリーはMu Pan氏によって描かれている。 劇中にはMu Pan氏が描いたタペストリーがいくつか登場する。 そしてもう一つ物語の途中にホルガ村で登場したタペストリーがこれだ。 出典: このタペストリーもその後に起こる出来事を予言している。 タペストリーには女性が自身の陰毛を食事の中に入れ、それを食べた男性と結ばれるという一連の流れが絵画として描かれている。 実際、クリスチャンが陰毛の入ったミートパイを食べることになった。 聖ヨハネの聖水について 出典: 劇中、ダニーがメイポールの下でダンスをする直前に黄色い花をすりつぶした物を水の中に入れてかき混ぜただけの飲み物を飲んでいる。 この花が何の花なのかは定かではないが、おそらくセイヨウオトギリであると考えられる。 キリスト教が夏至祭と結び付けられて以降は聖ヨハネの生誕日である6月24日は聖ヨハネの日として祭日となっている。 ヨハネの聖水には必ずセイヨウオトギリが入れられるという。 このセイヨウオトギリソウの成分は統合失調症を患っている人では薬物併用によって精神病症状を悪化と関連があるとも言われている。 ダニーももしかしたらこれが原因で足から草が生えてくるような幻覚を見てしまった可能性もある。 近親相姦について 物語の一つのポイントとなったルビンは障害を抱えて生まれてきた。 このルビンの障害は意図的に発生したものである。 ホルガ村では障害を持ったものは世の中との繋がりが薄いため神聖であるとされていた。 そしてホルガ村は聖書ルビ・ラダーへの書き込みを継続させるためにそのような人物を必要としていた。 そのため、意図的に近親相姦を行い障害者を生み出したのである。 本来、ホルガ村では近親相関を基本的にタブー視している。 加えて、外部からの血が必要であったためにクリスチャンが巻き込まれ、ホルガの赤毛の美女との肉体関係を反強制的 薬物 に迫られている。 近親相姦によって障害を持った子供が生まれやすい要因の一つとして、血縁関係が近いためにその可能性が高まるからと言われている。 ルーン文字について 本作では見たことのない古代文字のようなものが多数出現する。 これはルーン文字と呼ばれ、2世紀から3世紀ごろに出現した実際に存在する文字である。 古くゲルマン人が用いた文字で、呪術や儀式に使われた文字だという認識が強いが、実際には日常的に使われていたという記録も存在する。 本作でルーン文字が使われている箇所にはメイポール、神殿の部屋の内装、服、石板などだ。 それぞれ、パワーや進化、自己犠牲、死などの意味があるとされている。 メイポールはホルガ村での祝祭のシンボル的存在として登場した。 主人公のダニーがラリった状態でダンスバトルをした際にはポールを中心として踊りを踊っていた。 このメイポールの上部にはルーン文字が配置されている。 羊や牛が起源となっており、富や資産を意味している。 原義は車輪で、旅や成長、進化を意味している。 意味は愛情だ。 意味は戦士や、導き。 意味は主に保護だ。 秘密や伝授を意味している。 特にダニーがメイポールの周りでダンスを行った際に着ていたシャツだ。 意味は変革や夜明けだ。 「槍」などの意味がある。 ペレに関する推測 本作において重要な論点となっているのがペレという男の存在である。 彼はもともとホルガ村の住人であるうえ、ダニーとクリスチャンの状況を最も理解している人物でもある。 これは先ほど紹介したタペストリーに描かれていたダニーとクリスチャンを上から見守るペレの姿からも推測できる。 また、物語の幕開けに登場するタペストリーに描かれている一コマである以上、ペレという存在の意味はとても深いと考えられる。 果たして、ここで一つの疑問が浮かび上がってくる。 それはペレがこれからホルガ村で実際に起こることを分かっていたか分かっていなかったかに関する問題だ。 結論から述べると、ペレ自身はこの状況に陥ることを想定できたはず。 つまり分かっていて村へ友人を連れていった黒幕的存在である可能性がある。 そもそもペレは交換留学としてスウェーデンからアメリカにやってきているだけなので村のしきたりや儀式などについては熟知しているはずだ。 そしてそれをわざと隠していたことは、オリの中に閉じ込められていた熊を見た時にただの熊だと発言したことからも怪しさが醸し出されていた。 しかし、一方で、ペレの両親は幼い頃に炎に包まれて亡くなったと語られている点にも注目したい。 ペレは大学生であるため、年齢的に両親が生贄にされたとしてもミッドサマーの90年に一度の頻度とは異なるためホルガ村では他にも猟奇的儀式が行われている可能性も拭えない。 ここから推測するに、 そもそも『ミッドサマー』の90年に一度の祝祭ということ自体が真っ赤な嘘であるという壮大な予想を展開することができる。 つまり、祝祭そのもののスパンが一年ないしは数年に一度のスパンで行われていた可能性が否定できない。 これには他にも根拠もいくつか存在する。 例えば歴代のメイクイーンの写真の数が非常に多いことだ。 これだと大昔の写真という技術がない時代の写真が存在してしまう。 また、劇中で赤ん坊の鳴き声を何度も耳にしたはずだ。 近親相姦に注意を払っていると主張していたのにもかかわらずあのような小さなコミュニティに対する赤ん坊や子供の数が明らかにおかしい 多すぎる。 また定期的に外部の血を取り入れるとも語っていたがこれも90年に一度のスパンで祝祭が行われていないという裏付けである。 そもそも幻覚作用を引き起こすようなドラッグが常用されていることもおかしな点である。 ホルガ村は明らかにおかしなカルト宗教団体で、外部のものは完璧にはめられたのだ。 ホルガ村が外部の血を欲しがるが故に、はめられたとするとダニーとクリスチャンの関係は好ましくない。 そのためドラッグによって判断力や思考力を鈍らせ最終的にクリスチャンの性行為をダニーに見せつけることによって2人の関係を引き裂いたのだ。 この推測が正しいとして、祝祭が数年のサイクルで行われていたとすると歴代メイクイーンの数からして、あのコミュニティは比較的歴史の浅いホルガ村を拠点とした新興宗教団体なのかもしれない。 果たして、本作が伝えたかったことはいったい何なのだろうか。 アリ・アスター監督が語るに、本作はホラー映画というジャンルには含まれないのだという。 本作を読み解く上で最もわかりやすい手法はやはり、ダニーの立場に立って考察することだ。 物語の序盤のスウェーデンに渡る以前からダニーは集団の中で完全に孤立した状態であることが示されていた。 ダニーは家族を失い、唯一のよりどころであるクリスチャンとの関係もほとんど崩壊しかけていた。 アリ・アスター監督は家族に対する捉え方に非常に慎重であり、本作では自身の経験も投影して描いているという。 それを踏まえた上で物語の一つのキーワードとして恋愛という言葉が浮かび上がってくる。 ダニーとクリスチャンの関係はひとつひとつの行動によってそれを事細かに影響し合うようなデリケートなものとなっていた。 ダニーは終盤でクリスチャンの性行為によってほとんど感情が崩壊した。 ホルガ村の住人たちの共感力の強さもそのデリケートな感情を際立たせていたといえる。 また、物語が進むにつれダニーは日常社会でのコミュニティから、ホルガ村のコミュニティへと自分の居心地の良さが遷移していっていた 結局はこれもホルガ村にとって思う壺だったのかもしれない といえる。 こうしたことから最終的に生贄の選択としてクリスチャンを選び、最後は笑みを浮かべるという究極のカタルシスが実現した。 本作が伝えたかったこと、というよりはアリ・アスター監督が感じて欲しかったことはラストのカタルシスであり、心のどこかで残る不気味さであるといえる。 表面的にはカタルシスではあるが、先ほど紹介したペレに関する考察を受け入れればこの不気味さも解消されるだろう。

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映画『ミッドサマー』ネタバレ考察。ラストで本作が伝えたかったこととは。【感想】

ミッドサマー 90年 考察

映画「ミッドサマー」は北欧文化を知ればさらに楽しめる! この映画は架空の ホルガ村というスウェーデンの場所を舞台に作られた映画です。 そこで主人公のカップルと友人たちは様々な狂気を体験することになりますが、 この物語の中には一度で理解するのは難しいほど 北欧文化にちなんだ様々なメタファー(暗喩)や伏線が散りばめられています。 何も知らずにこの映画を観ても楽しめるのですが、その意味を頭に置きながら観ると監督の異常なまでのこだわりを感じれると思います。 ポスタービジュアルからもイメージができる通り新しい恐怖の形を描いた作品です!白夜の中で見る白昼夢のような本作を3倍増しで楽しめる予備知識を付けて劇場に足を運びましょう! また、この記事ではネタバレに触れない範囲で予備知識を紹介しておりますので観る前の方でも安心して読んでください。 物語はぜひ楽しんでいただきたいのですが、この映画は 結構なレベルのグロいシーンと性描写などが含まれます!R-15指定で間に合っているのか怪しいほどなので、苦手な人は注意しましょう。 タペストリーの暗喩 C 2019 A24 FILMS LLC. All Rights Reserved. 映画冒頭で画面いっぱいに映る巨大な タペストリー。 左にはドクロ、右には太陽、中央には天国のような絵が書かれています。 このタペストリーをこの映画を観た後にもう一度見るとハッとするはずです。 そう!これは これから起こる物語の内容を示唆している内容だからです! しかし、これだけを見ても物語がどう展開されていくのかは全く想像がつかないような絵になっているのがなんとも憎らしい。 これは監督の遊び心なのかもしれませんね。 中盤にもラブストーリーが描かれたものが登場しますが、そちらはビジュアル的にも一度見たら忘れられないはずです。 この映画におけるタペストリーは 『未来を示唆するもの』だと思います。 スペルに注目!ミッドサマーというタイトルの意味 ミッドサマーと聞いて「あ〜夏の物語なのね」とか思って観ていたのですがそれは大間違い。 英語では 「Mid Summer」 スウェーデンでは 「Mid Sommar」と表記するそうで、 『夏至をお祝いするお祭り』という意味です。 このミッドサマーというお祭りは実際にスウェーデン、デンマーク、フィンランド、ドイツなどで行われていて、その日には大きな火を起こして周りを踊り回るそうです。 夏至というのは 太陽が最も地球の北側に寄り、日中が長くなる日のことを言います。 北極など、一部の地方では一日中太陽が沈まない 白夜と呼ばれる現象が起きます。 この映画はスウェーデンの架空の村ホルガで起こる白夜の9日間の物語になっています。 そこで90年ごとに1度開かれるミッドサマー(=夏至祭)に参加したアメリカ人学生たちが様々な狂気を目の当たりにします。 この映画から着想を得たところが多いと監督も語っているとおり、様々な共通点があります。 「カルト」「宗教的な儀式」「生贄になる人間」「性的な意味を持つ儀式」「人間を生きたまま燃やす」など、様々なキーワードがこの作品と共通しています。 気になる方は 映画「ウィッカーマン」について調べてみてください! 私はこの映画を観ていないのですが、観た人によると結構な共通点があるそうです。 ウィッカーマンを観た後ではまた見え方が変わるかもしれませんね! 狂気の文化『血のワシ』 この映画で「羊たちの沈黙」のラストシーンのような人が鳥のように吊り下げられた描写を見るとは思いませんでした。 スウェーデンのある北欧地方ににキリスト教が行き渡るまでの間、この地方はヴァイキングが支配していました。 当時、暴力が支配する当時の北欧では生きたまま骨を引っ張り出して羽のように広げて鳥のような姿にし、そのまま放置するというこの方法が 実際に存在していたそうです。 この 『血の鷲(Blood Eagle』と呼ばれる処刑法は「これがR-15指定の映画で登場してもいいのか?」と疑問に思うほど現代の私達が見るととてもショッキングな姿をしています。 この血のワシと化してしまうのは誰なのか? それは観てからのお楽しみにしましょう! 『熊』が象徴するもの C 2019 A24 FILMS LLC. All Rights Reserved. 劇中にところどころ登場するモチーフである 『熊』も大きな意味が秘められています。 熊は北欧神話において重要なシンボルとして知られています。 有名な北欧神話の神様オーディンやヴァイキングたちは熊を崇拝し、実力を持っている戦士たちは熊の毛皮を被って戦っていたと言われています。 その熊に込められるのは 『強さと繁栄』という意味です。 この熊に秘められた意味を知ってこの映画を見ると、熊が登場する演出の意味をより深く理解することができるでしょう。 この『熊』のモチーフは随所に登場しているので、注目して観てみてください! 隠された顔 ここは気づきにくいのですが、ダニーが立ったまま担ぎ上げられてディナーテーブルに向かうシーンに注目してください。 後ろの森の一部がよく見ると 人の顔の様になっていることがわかります。 しかも、その顔の口元にはガスのチューブがあることから、これは冒頭で車の排気ガスを使って一家心中を図り、命を落としてしまったダニーの妹のテリーを意味していることがわかります。 妹テリの死がトラウマになってダニーを苦しみ続けるところからこの物語が始まるので、その重要な出来事をサブリミナル的に演出するという監督の遊び心かもしれませんが、ゾクッとしました。 それは生まれたときから年齢を重ねるごとに、 春〜夏〜秋〜冬と季節が過ぎていくいう考え方で、冬を終えるまで生きている人は非常に幸福であると言われています。 つまり、後世に残されたものの為に生贄になるのです。 この儀式はスウェーデンで実際にあったと言われていて、自分の身の世話をできなくなった老人などが崖から自ら身を投げて命をたったそうです。 年老いたおじいさんやおばあさんに食べさせる食料が無い家族が、山に年老いた家族を捨ててくるというものです。 それが観ている人や主人公たちに狂気を煽ります。 この物語がどんどんとおかしな方向へと転がり落ちていくきっかけになるこのシーンは、この映画を印象つける重要なシーンになっています。 ちなみに豆知識ですが、この身投げの儀式の主役になる老人役をビョルン・アンドレセンが演じています。 彼は名作 「ベニスに死す」という作品で有名になり、 当時は凄い美少年でした。 そんな彼が衝撃的なことになっている本作は、当時彼のファンだった人を騒がせています。 これも監督の遊び心かもしれませんね。 笑 数字の「9」の意味 この映画には 「9」という数字が非常に多く出てきます。 ・ 9日間の及ぶ夏至祭が 90年ごとに行われる ・ 9人の生贄 ・ホルガ村のライフサイクルが 春=18才〜 夏=36才〜 秋=54才〜 冬=72才〜 とされていて、これらは全て 9の倍数 ・更には「Mid Sommar」というタイトルのスペルは 9文字 といった具合に数字の 「9」がいたるところに隠されています。 北欧神話で「9」といえば、 マイティ・ソーで有名なアスガルドを含む 「9つの世界」から構成されていることから監督が着想を得たのかもしれません。 北欧神話にとって特別な意味を持つこの数字を意識して観てみると面白さが増します。 他にも隠されているので隠れミッキー的な感じで目を光らせてみてください! 数字の「13」 これについては大きくネタバレに触れそうなので控えます。 ごめんなさい! 劇中で「9」と 「13」について意識して観てもらえればあなたもどこで登場するか気づくはずです。 この数字は実在した魔女の集会(Coven)の参加人数が意味することと同じなのかもしれないし、「13日の金曜日」に代表されるようなキリスト教では不吉な数字として有名です。 いづれにしても特別な意味をもつ数であることは間違いないでしょう! ルーン文字 C 2019 A24 FILMS LLC. All Rights Reserved. この映画にはたくさんの 『ルーン文字』が登場することも印象的です。 ネタバレに触れるので詳しく解説できませんが、この映画を観終わった後で場面場面で散りばめられたルーン文字について調べてみると面白いかもしれません! ルーン文字といってもたくさん種類があるそうですが、本作では劇中で 「エルダー・フサーク(Elder Futhark)」と呼ばれる文字であることがわかります。 それはルーン文字の中でも最も古い体型であり、北ヨーロッパの最も古い記録では西暦150年頃から使われていたと言われています。 その後、ラテン語が登場して使われる言語が変わりましたが一部の地方では20世紀になってもルーン語が使われていました。 『ルーン』というのは 「神秘」「秘密」といった意味が含まれていて、北欧神話ではオーディンがルーン語の呪文を使って死者を生き返らせたと言われています。 生贄の儀式アッテストゥパンの石版、服のデザイン、机の配置、部屋の壁のデザインなど。 様々な場所で登場するルーン語の意味を知ったら、もう一度この映画を観たくなることは間違いないでしょう! まとめ ( ) 念の為、お断りしておきますがこの映画の舞台になっているホルガ村というのは架空の村です。 実在はしません。 (実際に同じ名前の村はあるそうですが、監督は架空の村だと言い張っています。 しかしフィクションでありながらも実際に存在した、または存在している北欧の文化を取り込んだ演出に監督のこだわりが伺えます。 間違っても、軽い知識で実際に北欧にに足を踏み入れないようにしましょう。 笑 この映画は非常に多くの伏線やメタファー(暗喩)が使われていて、 知れば知るほどにもう一度観たくなるという魔力を持った映画でもあります。 白夜の中で見る9日間の悪夢を体感したあなたはその魔力に憑かれてしまうかもしれません。 心してこの映画を体験していただければと思います。 感想を書いた前の記事はこちら! ミッドサマーの基本情報、あらすじ、ネタバレなしの感想レビューはこちらの記事で更新しています!.

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映画「ミッドサマー」ネタバレあり感想解説と考察 なぜ花が、なぜ「9」が多用されるのか?「◯と△」で読み解く神話的暗喩とは?

ミッドサマー 90年 考察

スポンサーリンク 映画「ミッドサマー」のあらすじ 明日公開の「ミッドサマー」ですが製作会社A24がミッドサマーが原因で別れたカップルに3ヶ月間無料のセラピーを提供する、別れたほうがいいカップルにおすすめ、などカップルで観たらヤバすぎる作品なのは間違いないですが 固い絆があるカップルは問題ないという監督の言葉を信じて観に行くのもアリ。 美しい花々が咲き乱れ、太陽が沈まないその村は、優しい住人が陽気に歌い踊る楽園のように思えた。 しかし、次第に不穏な空気が漂い始め、ダニーの心はかき乱されていく。 妄想、トラウマ、不安、恐怖……それは想像を絶する悪夢の始まりだった。 引用: 花が鮮やかに咲き、人々も優しい。 そんな楽園のところにやってきた主人公たち。 題名にもあるように ミッドサマーは白夜で夜でも明るいということ。 一見恐怖は想像できないようなこの地で、彼らを襲う運命とは!? という映画のあらすじです。 予告編を見る感じですと、ホラー映画!?となりがちですが決してホラー映画ではないそうです。 ジャンルもストーリーも今までにない新しい映画であることは間違いなさそうです! スポンサーリンク 映画「ミッドサマー」の内容をネタバレ 『ミッドサマー』 背景をよく見ると自殺した姉の顔があります。 ちゃんと管が口を塞ぐ姿で。 — 映画ランナー eigarunner ここからは『ミッドサマー』の内容を紹介していきます。 ダニーの悲劇 主人公のダニーは、姉からの「さようなら」という内容のメールを読んでから不安で落ち着きがありません。 ダニーは彼氏のクリスチャンに電話で相談しますが、いまいち相手にしてもらえませんでした。 それもそのはず、 クリスチャンはダニーと別れようと考えているのです。 しかし、ダニーの不安は的中し姉が家族を殺し、自殺してしまいます。 もちろんダニーはトラウマを抱え、気が動転してしまうのでした。 クリスチャンは、大学の友人3人 ペレ・マーク・ジョシュ と論文作成のためスウェーデンに行くことが決まっていました。 それを偶然に知ったダニーは、彼らと一緒にスウェーデンに行くことにしました。 途中でサイモンとコニーという婚約したカップルと合流し、目的地のスウェーデン奥地へ向かいます。 スウェーデンの奥地「ハルガ」 スウェーデンの奥地「ハルガ」に到着した一行。 そこでは白い衣装に身を包んだ男女が彼らを歓迎してくれました。 ここでは 90年に一度の夏至祭が行われるということで、クリスチャンたちはその模様を論文にするつもりなのです。 日が沈まないスウェーデンの奥地では、就寝時刻になっても明るく、不思議な感覚を感じながらダニーは床につくのでした。 90年に一度の祭典 恐怖の始まり 翌日、その祭典の初日。 ダニーらは伝統行事であるその祭典に参加し、村の人々のダンスを見たり会話を楽しんでいます。 宿舎にある壁には、村人の生涯が描かれた絵がありましたが、なぜか72歳までの絵しかありません。 ダニーはそれを不思議に感じていました。 祭典は食事の時間になり、その際に老婆と老人が何か奇妙なものを飲みます。 その後、彼らは崖に向かいなんの迷いもなく、崖から飛び降りたのです。 もちろん、彼らの体は見るも無残な状態に。 そのうちの一人は生きていましたが、村人の手で殺されてしまいました。 ダニーら一行はこの儀式に恐れおののき、どうにか帰りたいと考えるようになりました。 村人の話では、 「72歳になったらこれをしなければいけない 死ななければならない 」ということ。 つまりこれは儀式の一環だということでした。 いなくなる仲間たち しかし、恐怖は始まりに過ぎなかったのです。 その儀式を見て、コニーは婚約者のサイモンとこの村を離れようとしますがサイモンが見つかりません。 コニーは一人で村を後にすることにしました。 マークは美しい村人に呼び出され、ついていきます。 ジョシュは論文作成に精を出し、夜中に村の秘密の本を調べている最中に マークのデスマスクを被った何者かに襲われ殺されてしまうのでした。 それを知らないクリスチャンは、翌朝、村人のところへ抗議をしにいきます。 しかし村人は、村の女性マヤがクリスチャンにぴったりだということで、マヤの話をずっとしていました。 その頃、ダニーは謎の飲み物を飲まされているのでした。 というようなストーリーになっています。 まだラストではありませんが、オカルトチックな話ですよね。 カルト集団の儀式のようなものでしょうか? 72歳で死ななければならないという恐怖や仲間が次々に消えて行く怖さには ゾッとしますよね。 スポンサーリンク 映画「ミッドサマー」の結末最後 ラストシーン はどうなる? 『ミッドサマー』の気鋭監督アリ・アスターにインタビュー、スリラーの常識を覆したい 「恋人と別れた時の自分の苦しみを投影して作った。 小屋には裸の女性が数人とマヤがおり、クリスチャンは彼女らが見守る中マヤとセックスをします。 それを見たダニーは嘔吐してしまいます。 クリスチャンはセックスの後、村を全裸で疾走。 その中で、サイモン、ジョシュの死体を発見、その後突然倒れてしまいました。 その頃、村の祭典は最高潮に達していました。 この祭典では生贄を9人選ばなくてはならず、 村から4人 72歳の儀式で死んだ2人と生贄希望者2人 、 部外者の4人 殺されたサイモン・コニー・マーク・ジョシュ 、そして後一人をダニーに選ばせることにしました。 消えていた仲間たちは村人によって全員殺されていたのです。 村人はダニーに、クリスチャンか村人の中の一人かどちらかを選ばせます。 つまり、彼氏かなんでもない他人かをダニーに選ばせたのです。 ダニーはなんとクリスチャンを選びます。 選ばれたクリスチャンは内臓を取られ、生贄の一人として殺されてしまうのでした。 それを見ていたダニーは微笑み、物語はエンディングを迎えます。 なんということでしょう! ダニーは、彼氏のクリスチャンを自ら選び殺したのです。 この映画の恐怖は、オカルティックな集団狂気とダニーのこの選択にあるのではないでしょうか? ホラーではないとしても、やや過激な描写はあるので「観たい」と思っている方はちょっと用心したほうがいいのかもしれません。 スポンサーリンク ミッドサマーあらすじネタバレ!結末ラストで彼氏を火あぶりの刑?まとめ スウェーデンの人里離れた共同体で、九十年に一度、九日間続く祝祭を描いた映画『ミッドサマー』。 オカルティックな内容と衝撃の結末ラストが見所です! また、ダニーのトラウマなどの心理的変化にも注目して観て行きたい作品になっております。 また、日本でもかなり注目されている作品ですのでこれから話題になりそうです! 『ミッドサマー』は2020年2月21日 金 から上映が始まっていますので、ぜひこの機会に劇場へ足を運んで観てはいかがでしょうか?.

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