遊星 から の 物体 x の 回想。 映画「遊星からの物体X」の誰が人間で、誰が「それ」だったのかが明らかに

『遊星からの物体X』ハリウッドの偏屈異端児ジョン・カーペンターにリスペクトを!

遊星 から の 物体 x の 回想

80年以上愛される作品『遊星からの物体X』とは 出典: 『遊星からの物体X』シリーズは、アメリカのSF作家ジョン・W・キャンベルの短編小説『影が行く』を元に映像化された作品です。 「遊星からの」と名の付く作品は2つしかありませんが、実はクリスチャン・ナイビー監督が手掛けた1951年公開の 『遊星よりの物体X』を基にして製作されたのが、「遊星からの」シリーズ。 『遊星よりの物体X』公開から約30年後の1982年、『遊星よりの物体X』のリメイク版としてジョン・カーペンター監督の手掛けた『遊星からの物体X』が公開されました。 そしてその後、2011年には『遊星からの物体X』の前日譚を描いた『遊星からの物体X ファーストコンタクト』がマティス・ヴァン・ヘイニンゲン・ジュニア監督の手によって製作され、新たに公開されています。 そんな『遊星からの物体X』シリーズですが、中でも有名なのはジョン・カーペンター監督がメガホンをとった1982年の『遊星からの物体X』。 この作品は1951年版以上に、原作『影が行く』の内容を 忠実に映像化しています。 孤立無援の南極基地を舞台に、地球外生命体のために誰が本物の人間か信じられず疑心暗鬼に陥っていく隊員たちの様子を緊張感をもって描きだし、効果的なSFXによって、隊員たちを恐怖に陥れる地球外からの「物体」を出現させました。 作中に散りばめられた数々の謎や意味深なエンディングをめぐっては、今なお映画ファンによって語り続けられています。 ここからは、『遊星よりの物体X』を基にして製作された 『遊星からの物体X』、そして 『遊星からの物体X ファーストコンタクト』にフォーカスして作品を解説していきたいと思います! 『遊星からの物体X』シリーズ別ネタバレあらすじ まずは、2つの作品のあらすじをそれぞれネタバレありで解説していきます! 1982年公開『遊星からの物体X』ネタバレあらすじ 出典: ノルウェー観測隊のヘリコプターが、1匹の犬を追ってアメリカ南極観測隊第4基地へやってくる。 銃を乱射した隊員は射殺され、犬は第4基地内に保護された。 異常事態を察したヘリ操縦士のマクレディ(カート・ラッセル)たちは、ノルウェー観測隊の基地へ向かう。 そこで待っていたのは、自ら首を搔き切った死体、未知の建造物を捉えた記録、巨大な氷塊、そして異様な焼死体であった。 焼死体を第4基地へ持ち帰ったその夜、保護した犬が化け物に姿を変える。 ノルウェー観測隊の記録と化け物の死体から、生物学者のブレア(A・ウィルフォード・ブリムリー)は、大昔に地球に降りた生命体がノルウェー観測隊によって冬眠状態から目覚めたこと、その生命体は血液を媒介に他の生物に寄生し擬態するということ、そしてひとたび「物体」が南極の外に出れば、瞬く間に人間社会に同化する可能性に気づく。 ブレアの仮説通り、焼死体の血液に隊員の1人が寄生され、変身する光景を目にする隊員たち。 目の前の仲間は自分たちの知らない別の何かかもかもしれない、隊員たちが 疑心暗鬼に陥る中、ブレアは発狂し観測隊唯一のヘリを壊したため、道具小屋に監禁される。 寄生された隊員を明らかにするため、血液テストを行おうとするが、何者かに先回りされ保存血液は流されてしまった。 血液保存庫の鍵は隊長のギャリー(ドナルド・モファット)が持っていたため、彼は疑われ、隊員たちの間で上下関係さえも壊れていく。 人知れず誰かが寄生され、仲間内で殺し合いに発展する中、マクレディはある出来事をきっかけに、物体が血液中に個々の生命を持ち、特に熱を恐れていることに気づく。 新たに熱を応用した血液テストを行い、隊員たちは寄生された人間、そうでない人間を判別できた。 しかし、テストを行うために隔離されていたブレアの元を訪れると、すでにブレアに寄生した「物体」は小屋に宇宙船のようなものを残して失踪していた。 基地内は発電機が切られ、冷気がたち込めていた。 「物体」の目的が隊員たちを凍死させ、自分は春に救助隊が来るまで冬眠することだと考えたマクレディは、一矢報いるために「物体」が眠れないよう基地を燃やすことを決意する。 爆薬を設置する最中、ブレアの姿をした「物体」によって次々と命を落とす隊員たち。 マクレディは間一髪で、「物体」を基地とともに爆破した。 呆然と座り込む彼の前に、ブレアを追って姿を消していた隊員が現れた。 「物体」は本当に殲滅されたのかは判然としない。 いつかは消える炎を見つめながら、2人は救出の望みもなく、氷原に取り残された。 スポンサーリンク 2011年公開『遊星からの物体X ファーストコンタクト』ネタバレあらすじ 出典: 1982年ノルウェー観測隊が、南極大陸に埋まった巨大建造物と未確認生命体を発見する。 生物学者のハルヴァーソン(ウルリク・トムセン)は調査のため、南極のトゥーレ観測基地にアメリカ・ノルウェー双方の研究者を招集した。 観測隊は生命体が埋まった氷塊を持ち帰り、サンプルを入手した結果、その「物体」は地球のものではないことが判明した。 歴史的発見に喜ぶ隊員たちだったが、突如覚醒した「物体」に、隊員の1人が殺害されてしまう。 解剖された「物体」の体内には死亡した隊員の肉体があった。 古生物学者のサラ(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)は、「物体」が寄生した生物の細胞を同化し、体内で元の生物の擬態を生成してなり代わっているのではないかと考える。 隊員になりすました「物体」によってヘリが墜落し、すでに基地内の誰かが「物体」に寄生されているというサラの話も、当初隊員たちは信じない。 しかし、隊員の姿をした「物体」が仲間を殺害する光景を目にすると、皆事態を確信する。 寄生の有無を判別する血液テストは妨害され、墜落事故から生還したヘリ操縦士のカーター(ジョエル・エドガートン)たちも、疑われて倉庫に隔離されてしまう。 サラは洗面所に落ちていた銀歯、骨折用の金属プレートが最初の犠牲者の体外にあったことから、「物体」が 無機物は同化できず排出することに気づき、銀歯の有無によって人間かそうでないかの区別をつける。 出典: 逃げ出したカーターたちと基地の隊員たちとの間で内紛が起き、隊員にとり替わっていた「物体」が正体を明かし始めた。 殺戮の末1人の隊員を生きたまま同化し、2つの顔になった「物体」はケイトに焼却されるが、ハルヴァーソンに寄生した別の個体は逃げ出し、ケイトとカーターが後を追う。 「物体」は巨大建造物と思われていた宇宙船へ帰ろうとしていた。 サラは宇宙船の機内でハルヴァーソンの顔を持つ「物体」に襲われるが、間一髪ダイナマイトを投げつけて「物体」を破壊する。 はぐれていたカーターと合流し、雪上車に乗り込もうとする2人。 しかし、サラは目の前のカーターがいつも左耳にしているはずのピアスをしていないのに気づき、彼を「物体」と判断し焼き払う。 サラはひとり生還するも、絶望的な面持ちで座りこんだ。 しばらく経って、トゥーレ基地にヘリがやってくる。 唯一生き残った隊員がヘリの操縦士に発見されるが、その直後1匹の犬が基地を逃げ出す。 その犬が「物体」だと察した隊員は、犬を追ってヘリに乗り込む。 南極の氷原の中、ヘリコプターは執拗に1匹の犬を追いかけた——。 『遊星からの物体X』シリーズ別のみどころを解説! あらすじをご紹介したところで、各作品のみどころを掘り下げて解説していきたいと思います。 そのため、誰が本物の人間で、誰がなり代わられてしまっているか観客の目にもわからないのが、この作品の怖いところのひとつ。 それは主人公とみられていたマクレディにさえ同様で、彼の視点を外れて描かれる描写やある場面で見つかる証拠から、私たちには彼も「物体」なのではないかと疑われてくるのです。 主人公も含めて 確実に人間だと言える人物がいないことが、この作品独特の不安感を醸し出しています。 また、「物体」に狙われる恐怖だけでなく、仲間同士で疑い合い、いつの間にか自分が疑われ、信じていた仲間に命を狙われるという殺気だった雰囲気が、痛々しいほど画面から伝わってきます。 仲間とカードゲームに興じたり、冗談を言ったり、ひとり酒を飲みながらコンピュータ相手にチェスをしたり、故郷から遠く離れて集団生活を送る男だらけの隊員たち。 氷に閉ざされた南極で唯一安全の約束された基地内が、ある時突然、見たこともない化け物に侵入され、自分たちを閉じ込める檻に姿を変える絶望感。 しかし、そんな地獄絵図の中でこそ、各キャラクターの個性の生きてくるのも面白いところです。 粗野だけれど緊急時には率先して動き、「物体」の弱点や寄生されているか否かの判別方法を思いつくマクレディ。 血の気の多い性格が災いし彼との折り合いが悪く、「物体」の出現後は対立を深めていくチャイルズ(キース・デイヴィッド)。 犬に愛情を注ぐ飼育係のクラーク(リチャード・メイサー)は犬に化けた「物体」と接触していたため、寄生されているのではと疑われ、射的の腕前を持つ隊長のギャリーは、未曾有の事態に適切な判断が下せないために信頼を失っていく優柔不断な人物であることがわかります。 観測隊として生活していたごく普通の隊員たちが、ある時突然人間社会を脅かす「物体」に遭遇してしまったら……。 「もし、自分がこの状態に置かれたら……」 極限状態に置かれた人々それぞれの生々しい反応が、このSF作品にリアリティと緊張感をもたらしています。 特定の形状を持たず、ヌラリした質感が絶対に触りたくない肉感的なクリーチャーは、 アニマトロニクスによって表現されています。 ピラピラと体内から高速で動きまわる触手、それと対照的にぐっちょりと緩慢な動きで分裂する本体が、見たこともない、それでいて妙に生々しい物体の造形を作り出しています。 最初に正体を現す通称「ドッグ・モンスター」は、『ターミネーター』、『エイリアン2』等で知られるスタン・ウィンストン率いるチームによって作成されました。 強烈な特殊メイクを担当したのは、当時22歳のロブ・ボッティン。 監督のジョン・カーペンターとは 1979年の『ザ・フォッグ』に続いてのコラボレーションとなります。 彼は後に、『ロボ・コップ』(1987)アーノルド・シュワルツネッガー主演の『トータル・リコール』(1990)でも、印象的なSFXを担当しています。 代わりに前作でアメリカ観測隊がノルウェー観測基地で目にしたアイテムの数々が登場し、それがどんな経緯で前作に登場することとなったのかが明らかになるなど、 82年版のオマージュや伏線回収が主になっています。 前作のマクレディたちが見つけた巨大な氷塊はもちろんのこと、トゥーレ観測基地の壁に突き刺さっていた斧は、誰が何のために振り下ろしたものなのか? 自ら首を搔き切った後凍結した死体は、いったい誰だったのか? 前作で強烈な印象を残した2つの顔が融合した「物体」は、どのように出現し、なぜ死んだのか? それらの謎が解き明かされます。 そして今作のエピローグでは、82年版のアメリカ南極観測隊員たちの物語に繋がる重要な場面が描かれます。 馴染みのあるヘリコプターの登場に加え、前作冒頭で犬に化けた「物体」を追いかけていた人物が誰なのかも、明らかになります。 前作のファンなら思わずニヤリとしてしまうことでしょう。 それによって、前作よりも表現が多彩でスピーディーなクリーチャーの動きが可能になっています。 今作の「物体」は、前作のグロテスクで斬新なデザインコンセプトは踏襲しつつも、寄生した人間の足で自立し走って獲物を追いまわすこともできます。 さらに、太い触手を武器に、部屋の反対側にいる獲物を貫き通すこともできる、凶暴なモンスターとしての進化を遂げました。 耳を塞ぎたくなるような独特な咆哮は、前作で登場した音響を加工して多用しています。 さらに今作では前作ではあまり登場しなかった小型の「物体」も登場し、突然分離して顔面に襲いかかったかと思えば、一時姿を消してから壁を這いずりまわったりなど、トリッキーな動きで人間を翻弄します。 まさか、あの人物の、あれが、ああして、あんな「物体」になるなんて……。 中盤で登場する小型の「物体」は、前作のある人物の頭が歩き出す「スパイダー・ヘッド」を思い出すかもしれません。 ピクセルのような発光体が集合したあの巨大な物体は、何のために存在していたのでしょう。 最後にサラとハルヴァーソンの顔をした「物体」が対峙する場所にあり、この場所が宇宙船の中央であると考えれば、動力源のようにも見えます。 それとも、「物体」が地球に降り立つ前、訪れた様々な惑星で取り込んできた生物の遺伝子情報を保管したものなのでしょうか。 87年版のブレア博士や『ファーストコンタクト』のサラ・ロイド博士は、劇中で「物体」によって人間社会が同化される危険性を指摘しましたが、宇宙船の持ち主は果たして地球を征服するために来たのでしょうか。 しかし、あの巨大な宇宙船に対して、観測隊が発見したのはたった1体の宇宙人だけ。 その後トゥーレ観測基地に運ばれた宇宙人は氷塊の中から蘇生しますが、紆余曲折を経て、地球に来た当時の肉体を捨てて人間たちを襲います。 そう考えると、氷塊にとじこめられていた宇宙人さえも、「物体」に寄生されて地球に不時着した犠牲者のひとりであったとも考えられるのではないでしょうか。 そのうえ、攻撃を受ければ早々と分離し逃げて生き永らえようとする、どこかひ弱な存在にも見えます。 一方『ファーストコンタクト』では、異形の状態で人間を追い回したり、小さな個体を分裂させて人間を襲ったり、広範囲に触手をしならせて人間を串刺しにしたりと戦闘能力の高さが強調され、82年版とは違った恐怖を植えつけます。 少し意地悪な考え方をすると、大人の事情で、クリーチャーの造形の多くがアニマトロニクスからCGに置き換えられたことにより、スピード感が出たのではとも考えられますが。 『ファーストコンタクト』で人間と初めて交戦した物体は、多くの細胞を失って命からがら犬に寄生し、アメリカ観測隊基地に辿り着きました。 つまり、82年版に登場する「物体」は、ノルウェー観測隊との戦闘ですでに疲弊していたとも考えられます。 一方で、『ファーストコンタクト』では研究室を燃やすといういかにも荒っぽい手段で血液テストを妨害していましたが、82年版では血液保存庫の鍵を盗み出して中身を流すという、さも仲間のうちの誰かが鍵を取り出してそうしたように見せかけています。 状況の違いがあるとはいえ、人間の考えを先回りして、なるべくスマートにテストを妨害したことを考えると、明らかに行動が知的になっていることが窺えます。 『ファーストコンタクト』での戦いを経て、肉体的に衰えた「物体」は、その代わりに、より知能を発達させて生存し、さらなる獲物を吸収することで元の強靭な肉体を復活させようとしていたのかもしれません。 まとめ アメリカ観測隊が未知の「物体」に遭遇する82年版、彼らがその惨状を目の当たりにしたノルウェー観測基地にスポットを当て、アメリカ観測隊が来る前に何が起こったのかを描き出す『…ファーストコンタクト』。 続けて観てみると、解き明かされた謎もあれば、 今なお残された謎もあるようです。 太古の昔、宇宙船が地球に飛来した理由は何だったのでしょう? 「物体」から生き延びた生存者たちはその後どうなったのでしょう? そもそも彼ら生存者は、本当に「人間」だと確信できるのでしょうか? 答えの出ない謎に答えを見出すためか、それとも劇中の登場人物が不運にも遭遇した人間が人間でなくなる異次元を追体験したくなるためか、何度でも観返したくなる作品です。

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『遊星からの物体Xの回想』の邦訳|LE

遊星 から の 物体 x の 回想

SFホラーの傑作として熱狂的な人気を誇り、全世界的に多大な影響を与えてきたジョン・カーペンター監督『遊星からの物体X』 82 がデジタル・リマスター版として復活、36年ぶりにスクリーンで公開となる。 南極基地に現れた恐怖の宇宙生物と12人の隊員たちの死闘を描く本作は、巨匠ハワード・ホークス製作『遊星よりの物体X』 51 のリメイクで、原作はジョン・W・キャンベル・Jr. によるSFスリラー小説「影が行く」。 『ハロウィン』 78 、『ニューヨーク1997』 81 、『ゼイリブ』 88 など数々のSF、ホラーの名作で知られるジョン ・カーペンター監督が、映画製作を志すきっかけとなった古典の名作をリメイクした。 物語の舞台は冬の南極基地。 宇宙より飛来し墜落、10万年もの間氷漬けになっていた未知の生命体が永い眠りから解き 放たれ人類へと襲い掛かる。 主演は『バックドラフト』 91 、『エグゼクティブ・デシジョン』 96 で知られるカート・ラッセル。 『ザ・シンガー』 79 以来カーペンター監督との親交は厚く、本作がきっかけでハリウッドの第一線で活躍するようになった。 未知の生物の造型を手掛けたのは、後に『 ロボコップ』 87 、『セブン』 95 、『ミッション:インポッシブル』 96 などを手掛けることになる当時弱冠22歳のロブ・ボッティン。 おぞましく斬新なクリーチャーデザインは今なお高い評価を受け、後進のクリエーターに大きな影響を与えた。 音楽はイタリアの名匠エンニオ・モリコーネ。 』 82 と同時期の公開だったということもあり、全米公開時に興行的な成功を収めたとは言えない。 しかし、長年に渡り熱狂的な人気を誇り、今やSFホラーの傑作として君臨する傑作である。 70年代半ばから共同製作者であるスチュアート・コーエンが幼少の頃から大好きだった短編小説「影が行く」を映画化したいと考えていた。 1980年、コーエンとは南カリフォルニア大学で出会い旧知の仲だったジョン・カーペンターが加わり、企画の実現へと動き出した。 脚本にビル・ランカスターが雇われ、1981年8月24日より撮影がスタートした。 ジョン・カーペンター 監督 、ビル・ランカスター 脚本 、ロブ・ボッティン 特殊メイク によって 開発された宇宙生物の姿は徹底的にウェールに覆われていた。 撮影現場でもポスト・プロダクションの段階でも写真を撮ることは一切禁じられており、キャストやスタッフ たちにもその風貌と特徴について全貌は明らかにされなかった。 ハワード・ホークス製作の『遊星よりの物体X』では、カメレオンのように形態を変化させるという原作の宇宙生物の設定は変更され、巨大なフランケンシュタインのようなヒューマノイドへと変えられており、『遊星からの物体X』の方が原作に忠実な内容となっている。 撮影はロサンゼルスのユニバーサル・スタジオで12週間に渡り行われた。 6つ以上のサウンド・ステージを使用し、屋外では真夏日が続く中、ステージは氷点下以下に冷やされた。 舞台をより南極らしく見せ、役者やエイリアンの吐く息を白くさせるためだった。 スタジオ以外でも、ロブ・ボッティンによる特殊メイクチームが本隊の撮影の前後を通じて稼働しており、スタジオ撮影終了後 の1982年5月頃までポスト・プロダクションは続いた。 一方、セカンド・ユニット 第二班 によるアラスカ州ジュノーのタク氷河での撮影は1981年6月に終了していたが、さらに12月にカナダのブリティッシュ・コロンビア州スチュワートでアメリカ・カナダの混合スタッフ100名による追加撮影が行われた。 この土地が選ばれた理由は、カナダ西海岸で氷結しない最北端の港があること、北半球で唯一車でアクセス可能な氷河があったこと、そして最も重要なのは南極らしさを見せるための十分な積雪量があったということだ。 ジョン・カーペンターと美術監督のジョン・J・ロイドはハワード・ホークスの『遊星よりの物体X』撮影地であるモンタナ州も訪れていたが、2年連続で雪が降らなかったため、結局ロケ地としては採用されなかった。 本作で重要な役割を果たしている特殊効果は、3名のアーティストがそれぞれの専門分野で活躍をした。 特殊視覚効果のデザインを手がけたのはアカデミー賞受賞のアルバート・ウィットロック(『大地震』 74 、『ヒンデンブルグ』 75 、『マッカーサー 』 77 など)。 彼は、まず最初にライブ・アクションを撮影し、例えば動く雲や水などのペインティングや効果をマット・スタジオで後に追加するマット・ワークという手法を採用している。 『ハウリング』の現場ではボッティンが唯一の特殊メイクのデザイナーで、前代未聞のカメラが撮影する中での変身を成功させた。 音楽は世界的に有名なエンニオ・モリコーネ(『天国の日々』 78 、『ニュー・シネマ・パラダイス』 89 など)によるものである。 撮影後すぐにジョン・カーペンターとスチュアート・コーエンがローマに向かい、モリコーネにフッテージを見せたところ、彼は作曲を快諾した。 幼少の頃から父親の8ミリカメラでSF映画を撮り始める。 南カリフォルニア大学の映画学科へと進学後、1970年、在学中に制作に関わった短編映画『ブロンコ・ビリーの復活』がアカデミー短編映画賞を受賞。 同年、初長編作品『ダークスター』 74 の制作を開始。 そして1978年、ホラー映画『ハロウィン』 78 が一部地方で公開された後、ハロウィンの夜に拡大公開し大ヒット。 世界興収は5500万ドルを記録した。 エルウィス・プレスリーの人生を描いた『ザ ・シンガー』 79 はカート・ラッセルとの初仕事となる。 代表作には『ニューヨーク1997』 81 、『ゼイリブ』 88 、『マウス・オブ・マッドネス』 94 、『エスケープ・フロム L. 』 96 、『ウァンパイア 最期 の 聖戦』 98 など。 2018年10月19日に全米公開予定の『ハロウィン』シリーズ最新第11 作『Halloween』 18 では製作総指揮を務め、音楽も担当している。 カーペンターがシリーズのプロデュースに関わったのは『ハロウィンIII』 82 までなので、36年ぶりのシリーズ復帰となる。 1951年生まれ。 子役としてウォルト・ディズニー映画で演技を開始。 その後、野球選手に転向しマイナーリーグで活躍したものの、肩の故障で再び演技の道に。 エルヴィス・プレスリーの人生を描いたジョン・カーペンター監督作『ザ ・シンガー』 79 のエルヴィス役で役者としての評価を得た。 (ラッセルの映画初出演作もエルヴィス・プレスリー主演の『ヤン グ・ヤング・パレード』 63 で、プレスリーのすねを蹴る威勢の良い子どもを演じている)さらにカーペンター監督作『ニューヨーク1997』 81 に主演。 カーペンターについて「役者が監督に求める得る最も理想的な関係でジョンとは仕事ができる。 彼はストーリーを完璧に理解し、一体どの場面へ観客を連れていくのかを、役者に対し明瞭に視覚化して伝えることができるんだ」と語っている。 『遊星からの物体X』 82 の後、『シルクウッド』 83 ではゴールデングローブ賞助演男優賞にノミネート。 カーペンターとはその後も『ゴーストハンターズ』 86 、 『エスケープ・フロム L. 』 96 で再びタッグを組んでいる。 その他、『バックドラフト』 91 、『エグゼクティブ・デシジョン』 96 、 『ソルジャー』 98 、『ポセイドン』 06 、『デス・プルーフ in グラインドハウス』 07 、『ヘイトフル・エイト』 15 、 『バーニ ング・オーシャン』 16 など出演作多数。

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「遊星からの物体X」のラストシーンを自分なりに考察してみる。

遊星 から の 物体 x の 回想

「巨星 ピーター・ワッツ傑作選」(創元SF文庫) 「遊星からの物体X」の物体Xは人類に呆れていた……かも その短編小説の元になった映画は、ジョン・カーペンター監督の名作SF「遊星からの物体X」 82。 南極観測隊の基地で怪事件が発生。 調査にやってきた人々は、宇宙からやってきた未知の生命体、物体Xが人間と同化し、増殖しようとしていることを知る。 しかし、 物体Xは外見からは普通の人間と区別がつかないため、人々は互いの正体を疑うようになりーーーというストーリーが展開する。 しかし、実はこの宇宙からきた物体Xには高度な知性があり、ある目的のため行動していてーーーという物語を、物体Xの視点から一人称で描く短編SF小説がある。 その短編小説のタイトルはズバリ、「遊星からの物体Xの回想」。 創元SF文庫から刊行された短編集「巨星 ピーター・ワッツ傑作選」収録の一篇で、2010年のシャーリイ・ジャクスン賞短編部門受賞作。 作者ピーター・ワッツは、カナダ出身の海洋生物学者でSF作家。 神経学、生理学などバイオ・テクノロジーの視点から"意識とは何か""知性とは何か"を追求する作品を書いたりもする作家。 脳を半分失った男や四重人格の言語学者が、宇宙でまったく異なる進化を遂げた知性体と遭遇する「ブラインドサイト」や、その続編の集合知性や人類の亜種が登場する「エコープラクシア 反響動作」などが翻訳刊行されている。 この「遊星からの物体Xの回想」の主人公である物体Xも、人間とは根底から異なる進化を遂げ、異質の形態と思考法を持つ存在。 物体Xの視点から見ると、映画の出来事がまったく別のものに見えてくる。 そして、生物というものについての認識もちょっと変わる、かも。

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